運命の赤い自転車 BIKE FRIDAY

BIKE FRIDAY「Pocket Pilot」という自転車に乗っている。
アメリカのGreen Gear Cycring社の折りたたみ自転車である。2005年4月にイトーサイクルさんにオーダー、6月に納車。
折りたたみ(正確には分解+折りたたみ)自転車ながら、六甲山に登れてしまう、凄いヤツだ。
特徴としては、ホイール・20インチ、ハンドル・フラットバー、9スピード、フロントギア42T、フォールディングペダル、コンセプトは軽く&安く。だが、フレームの色だけは贅沢に、$150かけて「Candy Apple Red」に変更した。
現在、Pocket Pilotという車種は無く、Pocket Crusoeが対応しているようだ。

初めて働いて貯めたお金を前に、折りたたみ自転車を買おう!と思い立った。
欲しい自転車は、「家出ができる自転車」。
条件で言うと、予算は10万ちょっと(安ければ安いほど良い)、遠くまで走れること、車体が軽い、折りたたんで電車に乗せても邪魔にならないこと、他の人があまり乗っていないこと、値段が高く見えないこと(盗まれにくいと思ったから)。
調べていると、車重は軽い方が走れるが、軽ければ軽いほど価格が高くなることが分かり、BD-1ブロンプトン、トレンクル、ダホン等が候補に挙がってきた。
しかし、どれも決め手に欠けていた、BD-1は皆乗っているし、ブロンプトンはあまり走れないらしい、トレンクルは高すぎるし、ダホンは自転車屋さんで見せてもらい持ってみたら重すぎた。
実際に乗っている人のホームページが参考になり、なかでも、BD-1Cに乗っている文市さんの輪行@@(おさんぽくるくる)は、同じ関西圏でもあり実際に走行したレポートも読み物として魅力的だった。読み進めているうち、彼の文章の中に「BIKE FRIDAYも良いなー」といったような記述があり、?と思ったのが最初だった。
調べてみたが、この自転車に乗っている人がほとんどいなく、走行性の高さ、折りたたむとかなり薄くなることの他に、どういう自転車かよく分からない。分かったことは、日本では3カ所でしか入手できないこと、その一つが大阪のイトーサイクルという自転車屋さんであること。大阪なら神戸から近い。では、行ってみよう。
薄暗い店内にひしめくほとんどなんだかわからない自転車パーツの数々。場違いなくらいの私は「お金が無いので、できるだけ安くしてください」と無茶発言。それでもイトーさんは丁寧に車種の説明をしてくださり、パンフレットとオーダーシートを渡してくれた。
この時、私は試乗すらしていない。お店には試乗車があるのだが、そんなことも知らなかったのだ。
結局、試乗もせず実物もあまりよく見ないまま、パンフレットとWebサイトのデータのみで購入を決意した。予算は少しオーバーするが、あとの条件を全てクリアする唯一の自転車だったからだ。
ドロップハンドルとビンディングペダルは怖かったので変更し、サドルは「一日50〜80km程走れる一番安いものを」と頼んでアボセット02を選んで頂いた。自転車本体の値段は13万ほど。おそらくイトーサイクルさん史上最も安いオーダーメイド自転車であったと思われる。
初めて乗ったとき、漕ぎ出しの軽さに驚き、同時に、これでどこまででも行けると思った。こうしてPocket Pilotは私の相棒になった。

あれから3年、「BIKE FRIDAYも良いなー」といった文市氏はまだBIKE FRIDAYに乗っていない。
だが、我が家の自転車部屋には私のBIKE FRIDAYの横に彼のBianchiとEddyMerckxが並んで停めてある。