わたしのワンピース。

こそこそと作り続けてきたワンピースが、昨年末完成、ワンポイントにとコサージュも製作して、遂に完結した。
事の始まりは、ママ友さんの中に、洋裁のプロの方がいたこと。一着もフォーマルな服を持っていないことにそろそろ危機感を持った私が「1着オーダーしたい」と持ちかけたことによる。かばんやスカートくらいはミシンで作るよという話をしていたら、「自分で作ってみたら?」という話になり、教えてあげるからという言葉に乗せられて、自分で作ることになっていた。洋服の袖のあるものは、倅くんのスモックしか作ったことが無い。ましてや、入学式に着ていけるようなきっちりしたものは、選んだことすら無い。市販の服は大体肩幅に合わせると胸元や腰が合わないし、どうせ似合わないやと諦めていたフォーマルである。そんな私がワンピースを一着縫う。
流れとしては、まず、どのようなフォルムが私に似合うのかから検討してもらい、サイズを測って市販の型紙を購入、布選び、布裁断、仮縫い後、私の体の癖にあわせて布を調整、型紙の補正、新しい型を布にひき、縫いに入る。全14回に渡る洋裁教室に、公園や家先で時間のあるときに相談に乗って貰ったりすること数えきれず、2月から12月までかかった。
長い期間付き合って貰った先生としての彼女には、本当に感謝である。プロとしての技を惜しみなく見せて頂いたことに、驚き、衝撃を受けた。肩幅に合わせてLサイズの型紙を購入したが、腰に合うように布を減らしその分前のスカートを長くするといったように、私が一番美しく見える服、それを作る作業だった。何を着ても大体合わないと思っていた自分だったが、仮留め状態のワンピースを着て鏡で見、初めて綺麗かも知れないと思えた。
そこからがまた長かったが、裏地に袖付けにと分からない箇所ごとに手を借りて、何とか完成できた。

夏でも着られるように薄地のウールガーゼ、フォーマルさを重視して焦げ茶色を選んだ。ジャケットを羽織れば1年中着られるはずだ。腰の高い位置で絞ったアーピールワンピース。
今の私が一番美しく見える服、ということは、この状態から太ることが出来ないということ。おそらく1、2kg増で袖と腰が入らなくなるだろう。今の体型をキープする為の一着でもある。
この春、卒園・入学・入学と着ていくつもりでいる。
ワンポイントのコサージュも作ったもの。作ってみる?と先生が本を貸してくれ、シルクの布も分けて頂いたので、これも初めてのコサージュ作り。花弁を分けて作る基本のカメリア。

いきなりシルクの布は怖かったので、ワンピースの余り布で一つ目。

手前左がワンピースの生地で作った1作目、奥がコットンのすかし刺繍入りの布で作った2作目、手前右が本番の3作目。
シルクの布で作ってみて、仕上がりの違いに驚く。うん、格が違うなぁ。
まだ、なおしてもらった型紙を写す作業が残っているものの、これで完成。続けて2着目を作ると腕が上がるよーと言っていたけれど、2着目を作れるのは、いつのことだろう。
洋裁の基本と技術は教えて貰ったし、楽しさも教えて貰ったけれど、奥深さも思い知って、彼女がいる場所に自分が到達できる気は全くしないくらい、遠い場所だということも同時に分かった気がする。