金継ぎ2。

ぱかっと割れた器と、欠けただけの器は継ぎ方が少し変わってくる。
今回は、欠けさせてしまった茶碗の金継ぎを公開する。
 4月26日 第4工程・刻苧(こくそ)付け
ごはん粒を練り、透漆・刻苧綿・木片を加えて混ぜる。これを欠けた部分に詰め、形を整え、乾燥させる。

 5月6日 第5工程・錆漆付け
砥の粉に水と透漆を加えて練ったものを塗り、乾燥させる。

 5月18日 第6工程・錆研ぎ
錆付けをした部分を砥石で研ぐ。

 6月23日 第7工程・塗り
錆研ぎをした部分に弁柄漆を薄く塗り、乾燥させる。

 6月30日 第8工程・塗りの研ぎ
弁側漆を塗った部分を砥石で研ぐ。
 7月13日 第9工程・金粉蒔き
弁柄漆を薄く均一に塗り、30分程箱に入れておく。取り出して真綿につけた金粉を乗せるように蒔き、乾燥させる。

 7月28日 第10工程・金粉固め
金粉の上に透漆を塗り、拭き取る。漆が付かなくなるまで繰り返し、乾燥させる。

 8月2日 第11工程・仕上げ磨き
 メノウで金の部分を磨く。
完成!
 
完成してみると、実に金継ぎの似合う茶器だった。これは、飯田線補完計画で訪れたどんぐりの里いなぶで、焼き物作家さんの出店があり、一目見て気に入って買ったもの。質感といい、金色も違和感が無い。
「割れたものを継ぐ」のに比べて、「欠けたものを補修する」方が断然作業が楽だということが、分かった。