漁港。

真夜中、自転車で走りに出たいと思ったけれど、あまりに眠いので、止めた。今走ったら、きっと転けるかぶつかるか意識を失うかのどれか一つは必ずしてしまう自信がある。このまま寝るわけにはいかない気がしたので、絵を描くことにした。超特急で一枚書き上げる。
前の温泉オフで、車に乗っけて貰って、大津港の近くを酒屋さんに向かって走っていた時、ずっと窓の外を見ていた。もう暗くて、何を見ているでも無かったけれど、日が落ちて真っ暗になる直前、一瞬だけ漁港が見えた。それが凄かったので、描きたかった。

自分の中に、こんな風に一瞬で焼き付いた光景がもうきっと、1000枚以上ある。それを出来るだけたくさん映し取っておきたいと少しずつ描いてきたけれど、今までの自分のちまちました描き方ではとても時間がかかりすぎる。時間が無いのは素晴らしい言い訳だけれど、あまりに悔しい。もう画風にこだわっていられないくらい、描かなければならないものが滞っている気がするのだ。いづれ、ゆっくりと描ける日も来るだろうが、とりあえずのスケッチとしてでも留めておきたい。