夏、邂逅。

晴れ
夕方から、近所の長子公園での夏祭りに出かける。盆踊りの音楽には、だんじり地区だけあって、抜群のリズム感の太鼓が付いている。
数える程の夜店の中で、焼きそば・フランクフルト・たこせん・水風船を満喫する。自分が子供の頃、楽しむことが叶わなかった夏祭りが、今こんなにも、楽しい。

甚平を着てひょこひょこ踊るちっちゃい人の手を引きながら歩く主様と、櫓で踊る人の振りを代わる代わる見ながら、ぐるぐると歩く。少し休もうと止まったところで、予想外の人に声を掛けられた。
ちっちゃい人を取り上げてくれた助産師さんである。久々の再会に驚く。割とご近所さんなので、生まれてすぐの時はちょくちょくばったり会っていたものの、最近は会っていなかった。「取り上げた子が、踊ってるー」と言っていたが、そうなのだ。ちっちゃい人が初めて触れたものは、彼女の手なのだ。泣くか眠るかしかしていなかったのに、今は踊っているー。結構凄いことじゃないだろうか。
新たにお腹に人がいると判った時、前回の食事制限の辛さに負けて、別の産科にかかることにしたが、そうすると、次は同じ人に取り上げてもらえないということだけが残念だった。それくらい印象的な人だったので、今日会えて、ちっちゃい人の元気な姿を見てもらえたのは、とても嬉しかった。
話をしていると、様々なことを思う。1年半ほど前の出産のことも思い出す。
妊娠してから自転車で淡路島一周したり、保久良神社まで上ってから診察に行っていたり、一日2万歩くらい歩いたり、臨月になってから自転車で30km走ったりしていたことも、思い出す。もしかしたら自分はタフなのだろうかと思い始めた、昨今である。運動も苦手だし、昔は距離を歩くことも出来なかったので、体力はあまり無い。それでも、病気になりにくいとか、怪我が治りやすいとか、基本の体のタフさがあるような気がしている。ただ、それをどこまで信じて良いかということ。タフさを過信して、それに猪突猛進の性格が裏目に出たときが、怖いのは知っている。最近、ママ友さんの出産話を聞いたりするとき、殊更にそんなことを思うのだ。当たり前のように産んで生まれてくることが、実は凄まじく特別なことなのだと。
ちょっとそんなことを思ってしまう、夏祭りの夜だった。