UZU・SHOCK

徳島・鳴門:曇り時々雨
前々から話しに出ていて、一度見てみたいと思っていた「鳴門のうずしお」。三宮から出ているバスで1時間半程で鳴門まで行けると聞き、それは案外近いな、と行ってみた。
阪神バスで鳴門公園まで、確かにそんなに遠いという感じがしない。ここはもう徳島なのだ。

丁度潮の良いタイミングで、この日の午後2時に大きい渦が出るらしい。
それまで少し時間があるので、鳴門橋架橋記念館を見てから昼休憩を取り、1時半のうずしお汽船に乗る。
うずしおというものは、大きな渦が一つあるのを少し遠目に船が近づいていって観光するものだと思っていたが、全く違う。まず、渦はいくつもいくつもあって、入り乱れている。そして、その渦の中に船が突っ込んでいく!

遊園地のジェットコースターでも、ここまでの迫力はないだろうと思う。渦のようなところもあるし、海に段差が出来ていて、潮が落ちているところもある。この、海が落ちていくところが、凄まじく怖かった。
大きい渦が出やすい日だったとはいえ、予想を裏切る迫力に圧倒される。これは、怖いけれど、なんて面白いんだ。動く海はなんて格好良いんだろう。
船を下りてから、上からうずしおを見られるという渦の道へ向かう。
ガラス張りの足下に見える潮の流れ、やっぱり凄い。
橋桁の向こうに見える渦の塊。宇宙から台風を見たら、こんな感じかも知れないと思った。
くらくらと揺れづける足元と、風雨と潮風が全てをなぎ払ったような妙にすっきりした気分で帰路に着く。
高速バスの便があまり良くなかったことと、帰りはやや長くなる時間のバスを避けて、電車にしたところ、ここからが長かった。
鳴門駅から池谷まで、ここで特急うずしおを待つ。

雨が少し強くなり冷たい風が吹き付け、3月も10日を過ぎたとは思えない寒さで、さらに池谷駅無人駅。一気にローカル線のたたずまい、電車がちゃんと来るのか不安にさえなってくる。駅舎と自動販売機が無かったら、凍えて遭難していたような気がする。

うずしおマリンライナーと乗り継いで岡山へ。この日何故か岡山駅は人が多く、駅弁はことごとく売り切れ、キヨスクにおにぎりも無い。きびだんごで繋ぎながら、晩ご飯は新神戸までおあずけ。
行きは近いとさえ思われた鳴門だったが、帰りはその距離を実感することとなった。
それでも、あの渦は見に行って良かった。普段、特にストレスがあるわけでも無いけれど、何かを吹っ飛ばしてくれる渦だった。