本島 自転車一周。

香川県丸亀市本島、海満喫・島一周旅行に行って来た。

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周囲16kmほどの本島。今回の目的は、海で泳ぐこと。


港に着くなり、レンタサイクルでこの旅の相棒となる自転車(ママチャリ)を借りる。ちっちゃい人がいるので、おぶいひもを持って来ていたのだが、運良く子供用かごのついた自転車が一台あって救われる。自転車(ママチャリ)は1台1000円で借りることができ、自転車返却時に500円帰ってくる仕組みだ。
少し行くと本島パークセンターという誰もいない観光案内所があり、島の地図を入手。
本島港からすぐの泊海水浴場へ寄ってみる。船の中でたてた計画では、ここで泳ぐのでは無く、水が綺麗であろう島の反対側へ行く予定だった。

だが、あまりの水の美しさに思わずサンダルを脱ぎ捨てて、足を海に浸ける。港横の海水浴場はゴミや海藻が浮いていることが多いが、ここは文句無しの水だった。
ここでは足を冷やすだけにして、目的地へ急ぐ。
いきなりママチャリには厳しい坂が現れるが、眼前に広がる景色は素晴らしい。

少し下るようにして滑らかに、夢に出てくるような完璧な路を走って行く。港付近では車と出会ったが、その後全く車が通らない。バス停はあるのだが、バスは見えない。
もう一度、坂。

泊から小坂・生ノ浜・尻浜・大浦を経て屋釜の海水浴場へ辿り着くまで、主立った上り坂は2つ。
屋釜付近で海岸に出れる道を探してうろうろしていると、バスが停まり、海水浴場は少し先だと教えてくれた。運転手の方に感謝。バスの乗客は誰もいなかった。
屋釜の海岸で思いっきり泳ぎ、海を満喫する。

私たちの他に居たのは、同じくレンタサイクルで島を回って来たカップル一組のみで、彼らが先に出立した後は、完全なプライベートビーチになった。
矢釜の水は泊の水に比べて濃い感じがするものの、浅瀬では抜群の透明感で、文句無し。
たっぷり遊んで水分とエネルギー補給ののち、島の残り半分を走破すべく出発する。

瀬戸大橋の手前に漁船が並び、今まで感じなかった生活の香りが漂うと、すぐに笠島の町並み保存地区に入る。
島を外回りで一周するのも良いけれど、せっかくなので、古い町並みを通り抜けるコースにする。

宮ノ浜へ抜け、石造りの道しるべを辿りながら泊を目指す。屋釜から泊までは比較的平坦(主立った上り坂は1つ)で距離も西海岸に比べて少ない。疲れが出てくる帰路に東側を選んだのは正解だった。
帰りの船まで時間があったので、まずママチャリを返しに行き、置かせてもらっていたベビーカー装備に戻ってから、歩きで泊の海水浴場へ行く。
夕刻になり、打ち寄せられたクラゲがガラスの粒のように点々と光っているのが綺麗だった。


帰りの船は車を積むことの出来る大きなフェリーだった。ベビーカーもそのまま乗れたので、すっかり爆睡しているちっちゃい人をそのままにフェリーに乗り込む。

なんとか島一周することが出来た。
屋釜の海水浴場でレンタサイクルに乗っていた人も言っていたが、観光案内所に置いてある島の地図は結構大雑把で、それだけで一周するのは難しい。大浦に抜ける際などGPSがあったので切り抜けられた。島の所々に石造りの道しるべがあるが、砂で→が埋まりかけていたり、ツタや野バラがからまって見えなかったりするものがあり、冒険気分は高まるものの、炎天下の中ママチャリで迷うことになるとつらい。島では基本的に店が無く、自動販売機も本島港の他はほとんど見かけなかった。夏に一周するなら、食料と水分をしっかり調達してから望まなければならない。そのあたりを注意しておけば、自転車で一周するのにとても良い島だと思う。距離もアップもそれほど無いので、ママチャリでなく輪行で来れたら、どれほど楽に走れただろうと思ってしまった。
何年ぶりかにママチャリに乗って、普段乗っている自転車の軽さとギアの凄さを思い知ることになった。景色は最高、船の便も悪くない、これだけ条件の良い場所なのだから、せめてギア3段のクロスバイクを数台入れてくれたらと希望するが、あまりに訪れる人が少ないのだろうと思う。
観光地というには、何も無いのだ。それは、淡路島や小豆島のような大きな島とは異なる、特別な魅力だと思う。
海と空を純粋に楽しむ島として、記憶しておきたい。